よみがえりのレシピ

ドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」公式サイト

監督プロフィール

映画「よみがえりのレシピ」監督 渡辺智史

1981年生山形県鶴岡市出身。

東北芸術工科大学在学中に東北文化研究センターの民俗映像の制作に参加。2002年「関川のしな織り」で撮影を担当。03年山形県村山市の茅葺集落五十沢の1年を追う。上京後イメージフォーラム付属映像研究所に通いながら、映像制作を開始する。 05年有限会社アムールに入社し飯塚俊男氏に師事する。06年障がい者が参加する第九合唱を描いたドキュメンタリー映画「An Die Freude 歓喜を歌う」撮影・編集。07年「映画の都ふたたび」を撮影。08年フリーで活動開始。「湯の里ひじおりー学校のある最後の1年」を監督。10年映画「よみがえりのレシピ」を撮影開始、11年の秋に山形県内で公開する。2011年山形国際ドキュメンタリー映画祭、2012年香港国際映画祭に本作品を正式に出品している。

監督の言葉

数年前に食の安全を訴える映画が都内で多数上映されていました。そういった作品に触れるなかで、食と農の基本の姿を見つめ直す映画を撮りたいと思いました。自分自身が食や農業に関わりが少なかったことから、この映画撮影をきっかけにして多くのことを学びました。幼少の頃から、だだちゃ豆を食べていましたが、他所の土地に移り住んでから、初めてだだちゃ豆の味の凄さに気づくことができました。食文化が豊かな地域に住んでいても、その由来や希少性を理解する機会がなければ、地元の人であっても在来作物の価値には気づくことは少ないのかもしれません。実際に、この数十年間で30品目以上の山形県の在来作物が消失したことが確認されています。
 そのような状況の中でも地道に調査を続けてきた山形在来作物研究会、そして在来作物の種を守り続ける生産者の努力、また新たな食べ方を提案し続けている奥田政行シェフには、本当に頭が下がります。研究者と料理人がそれぞれの分野で在来作物の価値を掘り下げ、食を楽しみ、喜びを分かち合う姿には農業が産業であることだけでなく文化として地域によみがえるヒントが秘められているのではないでしょうか。経済成長が著しいアジアや中南米で、今まさに在来種の種(たね)が消えようとしています。種は名もなき農家が世代を超えて伝えてきた人類の財産だと言われていますが、経済効率を優先する社会では評価されるのには時間がかかるようです。地域固有の食材を楽しむという日々の営みの先に、懐かしくも新しい未来の姿があるのではないでしょうか。